認定こども園　さかわ幼稚園

こどもも先生も家族も、皆が笑顔で成長できる環境を求めて。

埼玉県ではまだめずらしい認定こども園になった、さかわ幼稚園。周辺には田んぼや畑が残る、のどかな住宅街にあります。春は荒川の土手まで元気に歩いて行き段ボールで土手すべりをしたり、夏は園内で育てた野菜を食べたり、秋には近くの神社でどんぐりを拾ったり。園周辺の環境も活かし普段の生活の中で様々な体験ができるのが大きな魅力です。
 

Education Story
 

設立以来脈々と受け継がれてきた
「地域の教育の場」への強い思い
 

さかわ幼稚園の特徴の一つは、設置基準以上の広さを持つ園庭です。全園児が一斉に遊べる人工芝に遊具が置かれたガーデン、鬼ごっこやサッカーなど思いっきり体を動かせるグラウンドがあり、子どもたちは学年やクラスの垣根なく、仲良くのびのび遊んでいます。

大室理事長は、「園の創設者である祖父は、戦争で世の中が一変し、誰もが自分の力で生き抜いていかねばならない厳しい時代を生きました。また若い頃に病気を患ったそうです。そんな自身の体験から、未来を生きる子どもたちには相手を思いやれる心と丈夫な体が必要という思いがあり、理想の幼稚園をつくろうと考えたと聞いています」と話します。その想いを受け継ぎながら、理事長の母である現園長は、時代時代に合わせ、子どもたちに必要な「実体験」「異年齢の関わり」などを、保育に取り入れてきました。

2022年度に、幼稚園から幼稚園型認定こども園に移行した、さかわ幼稚園。移行にあたっては、事前の勉強や調査、周囲への理解を求めることなど相当な準備が必要であり、幼稚園に比べて、日々の事務作業量が大幅に増えるそうです。事務を担当する大室理事長に、なぜこども園に変えたのかを聞いてみると、「教職員のため」「子どもや保護者のため」という思いを話してくれました。

創立の想いを大切にし、「教職員の働き方」も大切にしていきたいという想いが、認定こども園さかわ幼稚園の根底を貫いています。
 

まわりの人の気持ちがわかる人
そっと手を差し伸べられる人に
 

2023年で設立50周年を迎えるさかわ幼稚園。その園舎は、こどもにも大人にも好まれる本格的なデザインで、木を多用し、温かみが感じられます。

幼児期は一番感性が育まれる時期であり、自宅の次に長い時間を過ごす場所でもあることから、改築時には細かいところまでこだわって設計したそうです。太陽光がふんだんに差し込んで明るく、また風通しも良く、人が快適に過ごすための基本をおさえた造りになっています。

毎日お昼の後は、クラスや学年に関係なく、みんなで園庭に出て遊ぶ自由遊びの時間です。「先生が子どもと一緒に楽しそうに遊んでいるのを見るのが好きです。わたしたちが目指す理想でもあり、嬉しい気持ちになります」と、大室理事長は目を細めます。

「子どもたちが遊んでいる様子を見ているだけでは、子どもたちの気持ちはわからないので、先生たちには子どもたちと一緒に何でも体験してほしいです。行事でも、何でもそうなんですが、先生が楽しむことで、子どもたちも楽しくなると思います」

「子どもたちには、相手の気持ちがわかる。挨拶ができる。相手の気持ちに寄り添い、困っている人にはそっと手を差し伸べられる。そういうことができる普通の大人になってくれればいいな、というのが、うちの園の思いです。子どもたちや教職員の幸せを守るためであれば、今後も柔軟に園の在り方は変化させていくことになりますが、子どもたちへのこうした思いは、ずっと変わることなく持ち続けていきたいと思います」
 

Work Image

満三歳児クラスの立ち上げメンバーとなり、今も担当している先生に話をお聞きしました。

「もちろん大変さはありますが、新しいことに関われたことが貴重な経験になっていて、やりがいや充実感につながっていると感じます」

「うちの保育の特徴は、たとえ2歳児でも赤ちゃん扱いしないこと。他の学年と同じ幼稚園生として接し、もちろん無理はさせないけれど、やれることはどんどん伸ばす育て方です。何かあった時も、『じゃあ、やめておこう』ではなく『じゃあ、こういう風にやろうよ』と、前向きに考えます。だから子どもたちが、どんどん成長しています。良い意味でとても伸び伸びさせてもらっているのは、この園だからこそかな、と思います」

「同期や先輩に相談しやすく、いろんな人の意見が聞きやすい雰囲気です」と話してくれたのは、4年目の先生。

「私も、初めてのことをたくさん経験できています。園内の畑では、夏野菜から冬の大根まで栽培しています。食育のためにわざわざ体験しにいくという感じではなく、保育の流れで畑に生育を見に行って、この野菜はこんな色の花が咲くんだねと話したり、ちょうど育っていたら収穫して食べたりというように、普段の生活に入り込んでいるのが良いなと思います。また行事や作品づくりなどに一生懸命に取り組むことで、大きな達成感を味わえることを知りました。それは、この幼稚園ならではかな、と思います。毎日、子どもたちと楽しい思い出ができるのが嬉しいです」