大宮幼稚園

神社と共にある幼稚園。厚い慈しみに包まれ、豊かな人間性を育む。

長い間、この地を守ってきた鎮守の森に囲まれた園舎。森の中には大宮八幡宮があり、敷地内は周囲の喧騒を一切感じさせない、穏やかで清んだ空気に包まれています。登園してきた子どもたちは、先生と一緒に神社に向かって拝礼をするのが毎朝の日課。「今日も感謝の気持ちを忘れずに元気に過ごそう」とみんなで心を1つにして新しい1日をスタートしています。
 

Education Story
 

森に囲まれた清らかな環境で
子どもたちも先生ものびのび！
 

戦後間もない頃に「地域の子どもたちのために」と大宮八幡宮を母体として設立された大宮幼稚園。歴代の園長先生は、大宮八幡宮の宮司が務めており、5代目となる現在の園長先生も神職として、日々子どもたちにあいさつや思いやりの大切さを伝えています。

草村副園長先生は、この園で働いて45年になる大ベテラン。新卒からこの園で働き続けてきた理由を尋ねると「いろいろ思い返してみて、やっぱり環境かなと思いました。周囲を森に囲まれた敷地は広く、子どもたちだけでなく私たち教諭ものびのびとした気持ちで過ごせます。敷地内には神社があり、本当に空気が心地いいんです。」と教えてくれました。

自然環境だけでなく、人的な環境も心地よさにつながってるそうです。新人の頃は先輩が細かくサポートをしてくれたこと。経験を重ねて教える側になってからは、後輩が一生懸命ついてきてくれたことを、草村先生は話してくれました。先輩後輩の良い循環が人間関係の良さに表れ、職員や園の雰囲気など、目に見えない部分にまで居心地の良さが浸透しているそうです。

「私が若い頃は、幼児教育も今よりもっとのんびりしていました。この40年で、子育てや幼稚園を取り巻く環境は大きく変化しました。当園も、時代のニーズに合わせて変化していきましたが、子どもたちを慈しむ気持ちや、感謝や思いやりを大切にする姿勢は変わっていません。そんな根幹となる想いを共有し合えるからこそ、長く働く職員が多いのだと思います」。と草村先生は語ります。
 

思いやり、感謝、諦めない心
幼児期に“生きる基盤”をつくる
 

『三つ子の魂百まで』ということわざにあるように、幼児期は人格形成の上で大切な時期。子どもたちが思いやりを持てる子になれるように日頃からさまざまな話を伝え、ちょっとしたトラブルでも双方の話にじっくりと耳を傾け、丁寧に対応しているそうです。

思いやりや感謝の気持ちだけでなく、粘り強さ＝諦めない心を育むことに注力しているのが大宮幼稚園の特徴。「何事にも頑張れる子に育ってほしい」という想いから、全園児でなわとびの連続飛びに挑戦しています。最初は1回も飛べなかった子が、毎日の練習を重ねることで連続して飛べるようになると、先生も子どもたちも一緒になって喜びます。得意な子は苦手な子に「こうしたらうまくいくよ！」と懸命に教える姿を見ると、先生も胸がいっぱいになるそうです。

毎月のお祭りでは、神前で行う『朝日子舞』で年長児が本格的な装束を身に付けて舞を披露します。さらに、毎朝境内に向かって拝礼を行う『神前拝詩』や、俳句や短歌にも触れながら美しい日本語に親しむ『言葉遊び』など、独自の活動を通じて、豊かな人間性を育んでいます。

卒園した子どもの保護者からは「幼稚園で学んだことが、学校や人との関わりの中で生かされていることを感じるんです」との声をいただくことも少なくないのだとか。大宮幼稚園でのかけがえのない体験は、子どものたちの人生にとって大きな糧となり、生きる力の基盤を育んでいるのでしょう。
 

Work Image

主任の先生は、悩んだときに一緒に考えてくれる職場の雰囲気が、大宮幼稚園で働く魅力だといいます。新人時代、ピアノに苦手意識を持ち悩んでいた際には「私がやるから大丈夫！」とサポートしてもらった経験があり、お互いにカバーし合う関係性に何度も助けられてきたそうです。

入職19年目の先生は、実は大宮幼稚園の卒園児。先生たちのはじけるような笑顔や、神社の行事に参加した思い出が強く残っており、「幼稚園の先生になったら、大宮幼稚園で働きたい」と入職を決めたのだとか。当時の雰囲気の良さは変わらず、同じ業界で働く友人には「うちの園はみんな優しくて、人間関係で悩んだことはないよ！」と胸を張って話しているといいます。

ベテランの先生が多いので、若手をしっかりと支えていける体制が整っているのは、新任の先生にとって心強いもの。主任の先生は「状況にもよりますが、新任の先生には副担任からスタートしてもらい、少しずつ成長できるように心を配っています」と話していました。