南光幼稚園

全員が全力でいられるから、エネルギーがあふれる教育の場。

一見幼稚園だとは思えないほど、整った園舎と青々とした緑の芝生が広がっている南光幼稚園。緑鮮やかな地面には白いラインが引かれ、爽やかで気持ちの良い空気が流れていました。
教室には様々なキャラクターをモチーフとした壁飾りが多く、担任の先生が毎年テーマを一つ決めて飾りつけをしているのだそうです。それぞれの教室から、先生たちの個性が溢れ出ていました。
 

Education Story
 

自分が持てる力を全て注いであげてほしいと園を任され
最大限できる全てのことをやり遂げてきた
 

開放的な職員室に入ると、和気あいあいとした雰囲気の中で一際通る声の主が田中ゆき設置者先生。
見ていて気持ちよいほどに快活に話しながらも、目尻にくっきりとシワができるほどに刻まれた豪快な笑み。職員からは肩書きではなく”ゆき先生”と呼ばれるその姿は、女性ながらにパワフルという言葉がしっくりきます。

”高校を卒業したら女性は嫁に入るもの”という時代背景の中で、教職員として数年間を過ごし、嫁ぎ先である南光幼稚園でも常に第一線で歩みを進めてきたそうです。

「毎日健康で笑顔でいることが一番大切。休んだことは一度もないんです。先代に”自分が持っている力を全て注いであげてほしい”と幼稚園を任されてから、私にできる最大限のことをやり遂げてきました」

保育心理士やマーチングライセンス等の資格も取得し、教育に対し妥協をしない設置者先生。
南光幼稚園の教育の中には、商人だったお母さんが使っていたというそろばんや、小さい頃には触らせてもらえなかった手織り機など、幼少期の思い出をたくさん詰め込んでいると話します。
出来る限りの努力が大胆なまでの行動力を生み、その姿に魅了される現場の先生たちも多いといいます。

原動力はなにかと聞けば「子どもたちが笑顔になると、もっともっとって思うのよ」と、こともなげに話す。そんな人柄が、南光幼稚園のパワーの源です。
 

本気で向き合うからこそ
相手の飾らない笑顔が見える
 

園舎・園庭・園児数、全てが規格外の南光幼稚園で一際ダイナミックさを生みだしているのが、体作りを主としたスポーツが盛んであること。子どもたちは登園すると真っ先に園庭へ飛び出し、寒い冬でも関係なく走り回ります。その姿がより一層、青々とした園庭を華やかにしていました。

9時50分になると先生を先頭に子どもたちが一斉に並び始め、一瞬の静けさがあり、何が始まるのか不思議に見ていると、スピーカーから音楽が流れてきました。
流れるリズムに合わせて、先生と子どもたちはダンスを踊り、とても無邪気にはしゃいでいるように見えました。

「私たちが本気で向き合うからこそ、子どもたちも本気の気持ちを見せてくれる。先生たちが元気でいることは、子どもたちを元気にさせる。そして子どもたちが元気なら先生たちが元気になる。それが南光幼稚園の良い巡りなんです。」

夏の暑い日に行う水遊びでは、芝生の上で全員が水鉄砲を片手に走り回る。自前のゴーグルをつけ集中攻撃をあびて大笑いする先生たちも、マーチングの練習をするときには情熱的に子どもたちと向き直る。
楽しい時も、真剣な時も、どちらも手を抜かずに全力で子どもたちと向き合う。だから子どもたちも先生を信頼して困難なことに勇敢に立ち向かうことができるのだそうです。

いつでも思いきり夢中になれる自分でいられるから、飾らない笑顔が見られるのです。
 

Work Image

まるで学生時代を思い出すような楽しげな雰囲気の先生たち。降園した後に教室で話をしていると、どんどん他の先生たちが集まってくるのだそう。しかし研修や指導で見えた表情は真剣そのもので、休憩時間にはおかしく笑いながらもメリハリがついた環境であることが窺えました。

1年目だと思えないほど落ち着いた口調の先生は「振り返ってすぐに相談できるほど、接しやすい先輩達がいます。ゴマすりもしません」と5年目の先輩の隣ではにかみながら教えてくれました。

隣に座ってその話を笑いながら聞いていた5年目の先生は、子どもたちとのエピソードについて面白おかしく話してくれました。職員同士でもフランクに話をする時間が多いと言います。
「夢中でやっているうちに気づけばあっという間に中堅層になっていて、後輩たちには”楽しい職場”だと思ってもらいたいので、話しやすい雰囲気作りを大切にしています。ですが先輩として伝えなくてはいけないときもあるため、そのバランスはやっぱり難しいですね」

楽しみながら仕事をしたいという意識が、職員一人ひとりを気兼ねなくさせているようでした。