成増すみれ幼稚園

自ら育とうとする力を、見守り、寄り添う。

令和7年度に予定している認定こども園化に向け、新園舎の建築を行っている成増すみれ幼稚園。取材は仮園舎にて、教頭の大道先生と8年目、2年目の先生方にお話を聞きました。
 

Education Story
 

子どもたちが自ら遊びを選び
発見し学んでいけるように
 

園長はすごく穏やかでとても現場を尊重される方だとお話しされた教頭の大道先生。大道先生が1年目のときに現在の持橋園長に代替わりし、それから長い時間を共に歩んできました。園長先生は大道先生が述べたように、現場を尊重してくださる方で、ご自身の意見を押し通すのではなく、現場の先生方の意見に耳を傾け、先生方が主体的に動けるようにしています。

また、遊びがメインの成増すみれ幼稚園の現在の教育スタイルを取り入れたのも持橋園長です。外遊びの時間を多くし、子どもたちが自ら遊びを選び、発見し、学んでいけるような環境作りに尽力されました。

長い時間を共に過ごしてきた教頭の大道先生も、その持ち前の明るさと行動力で先生方からの共感を得て、時代に合った教育や先生方の労働環境の改善、幼稚園作りに励んでいます。

大道先生が若手の頃、慣習に従って子どもたちを指導しているのを見て、「なぜこうしているのだろう」と疑問に思い、自ら声を上げ、その時代に合った教育方法へと変えてきました。その行動力やアイデアを発信することで先生方からの支持を集め、頼り甲斐のある上司として活躍しています。
 

失敗を恐れない
試行錯誤した経験が大切
 

成増すみれ幼稚園は、子どもたちが主体的に遊びや活動に取り組むことを大切にしています。先生は子どもの力を信じて、「がんばれ」と応援し寄り添うこともあれば、あえて一歩引いて子どもの自由な発想に任せ、見守ることもあります。そうした子どもとの向き合い方については、先生方の間でよく話し合い、方針を決めているそうです。

子どもたちの主体性は野菜の栽培にも表れています。幼稚園で栽培する野菜の種類は子どもたち自身が決めており、夏野菜を育てる際には、「メロン」「スイカ」「トウモロコシ」を育てたいという声が上がりました。もちろん、簡単にはいかないこともありますが、大切なのは実がなる結果よりも育てた経験です。失敗してもそれが学びとなり、何より育てる過程で試行錯誤する経験が重要だと、大道先生は話されていました。
 

Work Image

「職場環境ははなまるです！」と笑顔華やかにお話しいただいた8年目の先生は、新卒から成増すみれ幼稚園に勤めています。現在は年少の担任を1年目の時以来8年ぶりに担当しており、「初めましての関係からだんだん名前を覚えてくれるようになって、信頼関係を築けた時はとても嬉しい」と、年少児を担当することならではのやりがいを長い間先生をやってきた経験値から語っていただきました。

大学3、4年生時の実習を成増すみれ幼稚園で経験したという2年目の先生は、当園の子どもたちの主体性を大切にし、一人ひとりに向き合っている先生方の姿を見て、就職を決めたそうです。1年目のときは先輩の姿を真似して接してみるものの、子どもたちの反応が自分と先輩とでは全く違うことに戸惑いながらも、先輩の良いところを吸収しつつ、自分なりの保育の仕方を見つけていきたいと明るく話していました。

年少、年中、年長いずれも1クラス3人の先生で担当し、手厚く子どもたちと向き合えるチーム保育制度を導入しています。先輩後輩がお互いにリスペクトし合い、子どもたちに対する温かな声かけを先生同士でも心がけています。「経験していないから分からないよね」と決めつけるような事は言わず、「これから経験していけば大丈夫だよ」と前向きな気持ちになるよう、雑談ベースで何事も話し合い、新人の先生でも不安がなくなるほど、多くのことを相談し合っています。

「あかるく、たのしく、あたたかく」という園の教育理念は、子どもたちに対してだけでなく、先生方の間でも大切にされています。